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Japanische Klassiker mit Furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

甲賀 三郎

Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.806 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

津村と村井、彼等は親友同志であったけれども、星田に対する考えは恰で違っていた。村井は既に久しい以前から、星田を浦部伝右衛門から五万円の金を騙り、その後に彼の娘俊子は投身自殺し、伝右衛門自身は発狂するに至った、実は山川牧太郎と云う悪漢だと深く疑っていたのだ。(そうして、それが指紋によって、はっきり証拠立てられた事は、既に読者諸君の知られる通りである。)が、津村はむしろ星田の同情者だった。彼は星田が犯行現場での狼狽ぶり、その後で彼への悲痛な告白、あづま日報社の編輯局から漏れ聞いた、星田の最後の足掻の「サイアク・オククウ」と云う言葉、等々からして、星田が山川某と同一人である事は動かし難いとしても、宮部京子の殺人犯人ではあり得ないような気がするのだ。津村は例の脅迫状や、博覧会場での奇怪な出来事を、村井の所為じゃないかとさえ疑った事があるのだ。

さて、津村と村井の二人は互に白けた顔をして、ものの三十秒も睨み合っていたが、やがて両方から同時に口を切った。

「如月に会いに来たのか」

「如月に用があるんだな」

そうして、二人は再び無言になって、云い合したように、アパートの中に這入り真弓の部屋の扉を叩いた。