Japanische Klassiker mit Furigana
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ははのこころ
母の心
小川 未明
Lesen Sie 母の心 (ははのこころ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.790 Zeichen · 4 Bildschirme
「毎日、おまえから送ってくれる新聞を、ありがたく思っています。」と、喜んできました。親思いの良吉には、母親の喜びが、なにより大きい自分の喜びだったのです。
彼は、仕事を終えると、毎夜、新聞をポストへ入れにいきました。凍てつくように冴える星空をながめて、
「故郷は雪かもしれない。寒い晩だが、お母さんは、もうお休みになったかしらん。」と、思ったのでした。
良吉の出した新聞は、翌々日の朝、隔たった町の郵便局から、配達されました。いつも、それは、昼すこし前の、時刻にきまっています。
母親は、戸口に立って、「もう新聞のくる時分だ。」と、あちらをながめていると、こちらへ急いでくる、配達人の姿が見えます。わき見をせずに、せっせとやってきます。
「郵便。」といって、息子からきた新聞を手渡すとまた、せっせときた道を村の方へもどっていくのでした。その年ごろは、ちょうど良吉と同じくらいの少年でありました。
母親は、良吉が書いた上封の文字をじっとながめて、すぐにそれを破ろうとはしませんでした。
「二日めで、はやこうして届く。遠いといっても便利の世の中じゃ。」と、母親は、まだ汽車のなかったときのことを、考えていました。