Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
「ははのひざのうえに」(しょうかいならびにたんぴょう)
「母の膝の上に」(紹介並短評)
宮本 百合子
Lesen Sie 「母の膝の上に」(紹介並短評) (「ははのひざのうえに」(しょうかいならびにたんぴょう)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.661 Zeichen · 22 Bildschirme
悲しさでやっと我を支えているロザリーが、最後にドラの名を呼んだ時、瀕死の娘は、もう何とも云えない嫌気に満ちた溜息とともに、
「あ、おかあさん!」
とつぶやきました。
突然死んだドラの唯一人の仲よしであったベンジャミンは、翌日、夕刊に、ドラを視た検屍官の逮捕状で一人の男が検挙されたのを読むと一寸出て来ると云ったぎり、もう再び生きた姿を両親に見せませんでした。彼は、警察署に行くと、捕えられて来ていたその男を死ぬ程擲きのめし、自分は程近い地下鉄道に轢かれて命を落してしまったのです。
ああ神様。ロザリーは良人に云いました。
「子供達が悪かったのではありません。私が天の命に背いたのでした」
彼女は、ドラの没くなった翌朝、フィールド銀行に辞職届をかきました。
二人の子を失い、一人の子も恥辱の裡に持つハリとロザリーとは、魂の底から互の心を感じ合いながら擁き合いました。
これほどの苦痛も、二人で耐えてこそ耐え得ました。
今は、総てがよくなりました。ハフは出獄して、カナダにい、心を入れ更えて家郷への音信を怠りません。彼が、虐待し、早死した妻との間に生れた娘のロザリーは、名づけの祖母を母と呼び、ロンドンで一緒に暮しております。