Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme
「それよりか、奥さまにもお楽にして頂いて、何かお話を承りとうございますわ」
「恐れ入ります」
夫人はやっとソファの端に膝を下ろした。しかし、両手で袖口を引っぱってから畏まるように膝を揃え、顎を引いて、やっぱり顔を伏せ気味にしている。
かの女はすこし焦れて来た。ひょっとしたら自分の息子と交際のある年上の女性というところをおかしく考え、一種の反意をこういう態度によって示すのではないかしらと、僻みをさえ覚えた。かの女は何とか取做さねばならぬと考えた。かの女は、
「規矩男さんは、なかなかしっかりしていらっしゃいますね」と云って、あまり早く問題を提議したような流暢でない気持がした。
夫人は息子のことを云われて、何故かぎょっとしたようであった。はじめて正面にかの女を見た。
「そうでございましょうか。なにしろ父の死後女親一人で育てたものでございますから、万事行き届かぬ勝ちでございまして」
夫人の整った美しい顔に憐れみを乞うような縋りつき度いような功利的な表情が浮んで、夫人の顔にはじめて生気を帯ばした。
はじめからこの顔のどこが規矩男に似てるのだろうかと疑っていたかの女は、はじめて相似の点を発見した。