Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme
ある時はとぼとぼと、ある時は威勢よく、また、かなりだらしない風で、親に貰った小遣いをズボンの内ポケットにがちゃがちゃさせながら、これ等の店へ買いに入る様子を、眼の前のむす子と、自分のいない後のむす子とを思い較べながら、かの女はそれ等の店で用もない少しの買物をした。それ等の店の者は、みな大様で親切だった。
「割合に、みんな、よくして呉れるらしいわね」
「僕あ、すぐ、この辺を牛耳っちゃうよ」
「いくら馴染みになっても決して借を拵えちゃいけませんよ、嫌がられますよ」
それからアパートへ引返して、昇降機が、一週間のうちには運転し始めることを確め、階段を上って部屋へ行った。
しっとりと落着きながら、ほのぼのと明るい感じの住居だった。画学生の生活らしく、画室の中に、食卓やベッドが持ち込まれていて、その本部屋の外に可愛らしい台所と風呂がついていた。
「ほんとうに、いい住居、あんた一人じゃあ、勿体ないようねえ」
かの女はそういいながら、うっかりしたことを云い過ぎたと、むす子の顔をみると、むす子は歯牙にかけず、晴々と笑っていて、「いいものを見せましょうか」と、台所から一挺日本の木鋏を持ち出した。