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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

それに、為替がたいへん廉いというではありませんか。大概な金持の子も引き上げさしてしまうというのに、よくもねえ、さぞ、お骨が折れましょう。その代り、いまに大した御出世をなさいましょう。おたのしみで御座いますねえ」

その中年夫人は黙っているかの女に、なおも子供の事業のため犠牲になって貢ぐ賢母である、というふうな讃辞をしきりに投げかけた。

事実、かの女自身も、むす子に送る学資のため、そうとう自身を切り詰めている。また、甘い家庭に長女として育てられて来たかの女は、人に褒められることその事自体に就いては、決して嫌いではない。で、面会中はかなり好い気持にもなって、讃めそやされていた。

だが、その賢夫人が帰って、独りになってみると、反対に、にがにがしさを持て剰した。つまり夫人がかの女を、世間普通の賢母と同列に置いた見当違いが、かの女を焦立たせた。それは遠い昔、たった一つしたかの女のいのちがけの、辛い悲しい恋物語を、ふざけた浮気筋や、出世の近道の男釣りの経歴と一緒に噂される心外な不愉快さに同じだった。

なるほど、かの女とても、むす子が偉くなるに越した事はないと思う。