Japanische Klassiker mit Furigana
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ははおや
母親
若杉 鳥子
Lesen Sie 母親 (ははおや) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.750 Zeichen · 16 Bildschirme
此処は一体何をする処なんだろう――と彼女は頻りと考えていた。
「私、池田です。」
そこへまさ子が朝鮮服のようなものを着て出て来た。眼のくりッとした娘だった。
彼女はまさ子にくどくどと挨拶してから、
「あの、みを子は、亀戸の方にいるってことでございますが、それ本当でござんすかしら………」
「みをさんですか? とても勇敢にやっているんですよ。」
まさ子は子供っぼい大きい眼を輝して、
「ええ、南葛にこの間まで――でも今度他の地区に変わったんですよ。」
「そして、あれから始終あなたの処へ、何かたよりがありますでしょうか?」
「ええ、ここの仕事が忙しいんで滅多には会えないんですけれど、そりゃ始終ことづけはあるんです。」
「――此処の仕事というと?」
まさ子は眼をぐりッと動かした。
「救援会の事務です!」
「それでは、あの、此処が――」
彼女は娘から救援会の話をきいていた。
――無産者解放運動の犠牲者や、その家族の救援運動をするために、白テロと戦いながら公然と看板を出して、あくまで犠牲者の便宜に備えている処だ。それは丁度、暗い海の燈台のような役目をするんだ………と。
そうと知って、彼女はまた新しく室内を見廻した。