Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きにいらないえんぴつ

気にいらない鉛筆

小川 未明

Lesen Sie 気にいらない鉛筆 (きにいらないえんぴつ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.701 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

また、野路へゆくと白い野ばらの花が咲いて、ぷんぷん香っていることなどが、しみじみと考え出されて、いっそうふるさとがなつかしかったのです。

「どうしたの?」と、このとき、光子さんがきてやさしくたずねてくださいました。

きよは、泣いたりして恥ずかしいと思ったので、前垂れで、涙をふきました。

「私が、まちがって、ちがった鉛筆を買ってきましたので、もうしわけありません。」といいました。

「どうして、この鉛筆がいけないの。」と、光子さんはききました。

「やわらかくて、折れるのです。」と、きよは、悲しそうに答えました。

「兄さんが、わるいんだわ。」

「いいえ、私が、わるかったのでございます……。」と、きよは、うつむきました。

「自分のことは、自分でせいと、いつもお母さんがおっしゃっているのですもの。」と、光子さんはいって、走って、自分の筆入れの中から、新しい鉛筆を持ってきました。

「これを兄さんにあげるといいわ。私、やわらかいのをもらっておくから。」と、きよに、鉛筆を渡しました。きよは、ほんとうに、うれしく思いました。

「きよの田舎には、やまゆりがたくさん咲くの?」

「山へゆくと、たくさんございます。