Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みずのしたのいし
水の下の石
山本 周五郎
Lesen Sie 水の下の石 (みずのしたのいし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.791 Zeichen · 28 Bildschirme
裸の腕を輪にしてそのかたちを示した、「両手でこう石に抱きついたまま、離そうとしたのですがどうしてもだめでした、それでその鎧通しだけ抜き取って来ました……」集っていた兵たちのなかで誰か「あごらしいな」と云う者があり、くすくすと忍び笑いがおこった、かれらには顎の張りでた小弥太の顔と、石に抱きついたまま溺れ死んでいる姿とが、なんとも可笑しく想像されたようである。大七は胸を絞られる思いでその笑いごえを聞き、眼を伏せた、図書助は「その鎧通しを預かろう……」そう云って大七の手から短刀を受け取り、元の場所へとひき返した。
昏れがたまえにところの者が祝いの酒や肴を運びこんで来た、これは思いがけなかったので時ならぬ歓声があがり、すぐに両隊へ頒けてささやかながら祝宴がひらかれた。搦手でも桝形の広いところへ蓆を敷き、輪座に並んで杯をまわした、ふすぼっていた焼跡の余燼もおさまり、雲のきれ間から時どき月が覗いて、柱だけ残った矢倉のもののけのようなかたちを照らしだしたりした。杯がひとまわりしたときである、図書助が手をあげて「……みんなちょっと聞け」