Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

すいめんにうかんだおんな

水面に浮んだ女

田中 貢太郎

Lesen Sie 水面に浮んだ女 (すいめんにうかんだおんな) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.721 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも受けたものであるからしかたなしに眼をつむってぐっと飲んだ。

「もういかん」

平三郎は盃を下においた。婢はまた燗鍋をかまえた。

「もう一つおあがりなさいませ」

「もういかん、もう飲めん、俺の酒の嫌いなことは、お前も知っているじゃないか、もう好い、あっちへ持って往け」

平三郎は執拗い婢のやりかたに腹を立ててしまった。

「それでも、奥様の思召ではございませんか、もう一つ、おあがりなさいませ」

婢は平三郎の置いた盃を持って無理にその手に持たそうとした。

「好いと云うたら、好い、執拗い」

平三郎はその手を払い除けた。それでも婢は盃を放さずに、平三郎の傍へ擦寄って往って無理に持たそうとした。平三郎はそれをまた押しのけた。それでも婢は進んで来て今度は燗鍋を口へ押しつけようとした。

「無礼者」

平三郎は腰に差していた脇差を抜いて斬りつけた。刀は婢のみぎの首筋に触れて血が行燈にかかった。婢はそとへ逃げだした。平三郎は追っかけた。婢は暗い庭のなかを走って奥の縁側から駈あがった。平三郎も続いて奥の縁側へあがった。婢は室の中へ体を隠した。平三郎もそれを追って部屋の口へ往った。