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Japanische Klassiker mit Furigana

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みずとりてい

水鳥亭

坂口 安吾

Lesen Sie 水鳥亭 (みずとりてい) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.705 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

上陸に適した地勢で、おまけに鉄道の終点であり、敵はここを基地にして、首都へ東上する、そんな尤もらしい噂が流布して、ここが本土の最初の戦場になることを土地の人々が信じはじめた。

その流説を裏書するように、一個師団がゴッソリかくれて敵の上陸を待ちぶせることが出来るような洞穴が伊東の四周の山々に掘りまくられ、亮作もモッコ運びにかりだされた。

伊東から四方へ走る峠の細道は、家財を運んで本土最初の戦場を逃げる人々でごった返している。別荘の売物が諸方に現れて、ただのように値が下ったが、買い手がない。

野口もあきらめた。本土最初の戦場ではないにしても、東京にちかい太平洋沿岸が修羅場になるのは、おそかれ早かれ必然の運命だ。このへんの山という山、海という海が火をふいて、空という空を弾が走るにきまっている。すべての家も木も吹っとんで、一面にひっくりかえされた土地だけが残る。こんなところに住むのは、自殺するようなものである。

野口は軽井沢に別荘があるから、案外あきらめがよかった。吹きとばされる先に、別荘をうって、軽井沢へひッこむにかぎる。安くても、ただ吹きとばされるよりはマシである。