Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みずとりてい

水鳥亭

坂口 安吾

Lesen Sie 水鳥亭 (みずとりてい) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.705 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は憤りを覚えた。

「私の毛布、一枚わけてやる。それで、たくさんだ」

「冬にこまる。いま、買っておけ」

「フトン背負って、戦場を逃げて廻れるものか」

「オレが背負ってやる。カヤも買え」

「カヤはいらん。今に穴ボコの中で暮すようになるのだ。穴の中にカヤはつられん」

「つれる。つれる穴をつくってやる。鍋と釜を買え」

「私が持っとる」

「小さい」

「小さくない。四人で充分にくえる」

「くえん」

「お前バカだな。あの釜は一升たける」

「三升たかねばならん」

「お前、一食に一升くえるか」

「オレは一日に五へん食う」

亮作は二の句がつげない。金時は彼をあわれむようにジッと見つめていたが、さとすように言った。

「みんな買っておけ。今が安いぞ。オレが安く買ってきてやる。持ってる金、みんな、だせ」

「どうするのだ」

「金のあるだけ品物を買う」

「バカだな。一文なしで、くらせるか」

「心配するな。オレにまかしておけ」

「電燈屋がきたら、どうする」

「畑の物を売って払ってやる。お前は心配するな」

「そうか。本当に大丈夫か」

「大丈夫だ」

「そんなに買いこんで、戦争のとき、持って逃げられるか」

「オレにまかしておけ」

亮作は金時の言葉にたのもしいものを読みとったので、包みをといて、虎の子をだした。