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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

それにわしらが知っているのも知らねえのもあったが、田地のいい所は四、五年まえから大抵よそへ抵当にはいっている。それが四方から一度に取り立てに来たんだから、いやもう埒はねえ」

「それで大家もばたばたと没落したんだね」と、亭主は深い溜め息をついた。

「それでも足利のおあねえ様や分家の手合いが寄り集まって、何とか埒をあけることに苦労しているんだが、どうも右から左に纏まりそうもねえ。つまり、旦那は自分の身上をみんな投げ出して、親類の人たちにあとの始末をいいように頼んで、空身で生まれ故郷を立ち退くことになったのさ。空身といっても千両ほどの金をもっている。それを元手に江戸で何か商売でも始めるつもりだから、この後もまあよろしく願いますよ」

「千両……。古河に水絶えずだね」と、亭主は感心したように言った。「それだけの元手がありゃあ、江戸でどんな商売でもできますよ。千両はさておいて、百両あっても気強いものさ」

二階で治六を呼ぶ声がきこえるので、彼はそそくさと煙管をしまって起ちあがった。

二

暗い行燈の前で、次郎左衛門は黙って石町の四つ(午後十時)の鐘を聴いていた。