Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
一生うもれ木と覚悟しなければならない。年の若い外記が自分から進んで腰抜け役の小普請入りなどを願う筈がないのは、彼が日ごろの性質から考えても判っている。これには何か子細があるに相違ないと、さらに進んで詮索するとお時はまた驚かされた。外記が小普請入りの処分を受けたのは身持放埒の科であった。
お縫の話によると、外記はおととしの秋頃から吉原へかよい始めて、大菱屋の綾衣という遊女と深くなった。それについてはお縫も意見した。用人の堀部三左衛門も諫めた。取り分けて叔父の吉田五郎三郎からは厳しく叱られたが、叔父や妹や家来どもの怒りも涙も心づかいも、情に狂っている若い馬一匹をひきとめる手綱にはならなかった。馬は張り切った勢いで暴れまわった。暴馬は厩に押しこめるよりほかはない。外記は支配頭の沙汰として、小普請組という厩に追い込まれることになった。
家の面目と兄の未来とをしみじみ考えると、これだけのことを話すにも、お縫は涙がさきに立った。俯向いて一心に聴いているお時も、ただ無暗に悲しく情けなくなって、着物の膝のあたりが一面にぬれてしまうほどに熱い涙が止めどなしにこぼれた。