Japanische Klassiker mit Furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
そんなことが出来ると思っているの」
「表向きは無論できねえ理屈さ。だが、一旦綺麗に足を洗って置いて、それから担当の仮親を拵えりゃあ又どうにか故事つけられるというものだ。又それが小面倒だとすれば、今も言う通りどこへか囲っておく。つまり二人が末長く添い通せりゃあ、それで別に理屈はねえ筈だ」
これも去年の冬から何度繰り返しているか判らない。お絹も何度聞いているか判らない。二人が顔を突きあわせれば、いつもこの同じような問題を中心にして、男は的になりそうもないことを言い、女も的にならないことを知りながら渋々納得している。その間には言い知れない悩みと寂しさとを感じていながらも、お絹は切るに切れない糸に引き摺られていた。
今夜のお絹には、まだほかに言いたいことがあった。列び茶屋のお里のことが胸いっぱいにつかえていながらも、確かな手証を見とどけていない悲しさには、さすがに正面から切り出すのを差し控えていなければならなかった。それでも、何とかしてこの新しい問題を解決した上でなければ、男を今夜このままに帰したくないので、彼女はだまって俯向きながら、林之助を無理にひきとめる手だてをいろいろに工夫していた。