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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

何もかも判った、判った。おれもやがて帰るから、お前はひと足先へ帰れ」

見え透いた一寸逃れと、弟はなかなか得心しなかった。

「いや、どうでお帰りなさるるなら、手前も一緒にお供いたす。さあ、すぐにお支度なされ」

容赦のない居催促には、兄も持て余した。

「それは無理というものだ。帰るには相当の支度もある。まあ、何でもよいから先へ行け」

相手になっていては面倒だと、市之助はその場をはずす積もりらしい、酔いにまぎらせてよろけながら席を起つと、お花は彼を囲うようにして、一緒に起った。ほかの女たちもそれを機に、この面倒な座敷をはずしてしまった。

あとには半九郎とお染とが残った。半九郎は黙って酒を飲んでいた。

五

兄のうしろ姿を見送って、源三郎は少し思案していたが、これも刀をとって続いて起とうとした。あくまでも兄のあとを追って行って、無理に引き戻す積もりであろうと見た半九郎は、さすがに見兼ねて声をかけた。

「源三郎。待て、待て」

源三郎は無言で見返った。さっきから半九郎がそこにいるのを知りながら、彼は何の会釈もしなかったのである。

「かような場所で立ち騒いでは見苦しい。