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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

それは手前勝手に相違ない。わたしもそれを百も承知しているから、大の男が手をさげてお頼み申したのだ。否なら否だと何故きっぱり断わっておくんなさらない。愚痴を言うようだが、わたしは恨みに思いますよ」

恨まれては迷惑である。なんだか怖ろしくもある。栄之丞も一応の言い訳をしないではいられなかった。

「いや、お言葉ではございますが、当節のわたくしに何百両という金の才覚の届こう筈はございません。それは八橋もよく知っております。金の出どころ、身請け人の身許を正直に打明けませんでは、とても得心いたすまいと存じまして……」

「それはよろしい。判っています。身請けの相手が次郎左衛門ということを隠して下さるには及ばない。しかし次郎左衛門の身代の潰れたことまでは……。いや、それもどうで遅かれ早かれ知れることで、秘し隠しにしようとするのは卑怯というもの。わたしが自身の口からは言いにくいことを、いっそあなたが打明けて下されば却って仕合せかも知れません。今のは言い過ぎで、どうぞ悪しからず思ってください」

案外にもろく折れられて、栄之丞もほっとした。次郎左衛門はふいと、こう言い出した。