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Japanische Klassiker mit Furigana

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さばくのうた

沙漠の歌

国枝 史郎

Lesen Sie 沙漠の歌 (さばくのうた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.571 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

少しく思うことがありましたので、主人と一緒に小屋を出て、祠の前へ行きました。それから祠の中へ這入り、小箱の蓋を開けました。と、其処にヴィオリンと楽譜がある!

私は楽譜を取り上げて、それからじっと眺めました。

「わが故郷を恋うる歌」※(感嘆符二つ、1-8-75) 楽譜の題は斯うでした! 私の眼から熱い涙がその時一度に流れました。「憐れな娘よ! 憐れな娘よ! お前は父母を失った後、浅間敷い土人の争闘の中で、故郷の欧羅巴を恋い乍ら、望郷の歌を唄ったのだ! そうして欧羅巴へ帰えることも出来ず、焼くような熱帯の亜弗利加で淋しく一人死んだのだ! こんな悲しい死があろうか※(疑問符感嘆符、1-8-77) こんな憐れな死があろうか※(疑問符感嘆符、1-8-77) こんな惨酷の死があろうか※(疑問符感嘆符、1-8-77)」後から後から私の眼から涙があふれ出でました。

「旦那お聞きなさい、あの音を!」

突然主人はこう叫びました。が、耳を澄す必要はありませんでした。眼の前の箱の中のヴィオリンが揺れ鳴っているのでございます。

それと同時に憐れ深い乙女の唄声が箱の中から聞えて来るではありませんか! そうです憐れ深い「望郷の歌」