Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かはくれいじょう
河伯令嬢
泉 鏡花
Lesen Sie 河伯令嬢 (かはくれいじょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.763 Zeichen · 68 Bildschirme
本屋続きの濡縁に添って、小さな杜若の咲いた姿が、白く光る雲の下に、明く、しっとりと露を切る。……木戸の釘は錆びついて、抜くと、蝶番が、がったり外れる。一つ撓直して、扉を開けるのですから、出会がしらに、水鶏でもお辞儀をしそうな、この奥庭に、松風で。……ですから、私は嬉しくなって、どこを見物しないでも、翌日も一日、ゆっくり逗留の事と思ったのです。
それに、とにかく、大笹鉱泉と看板を上げただけに、湯は透通ります。西の縁づたいに、竹に石燈籠をあしらった、本屋の土蔵の裏を、ずッと段を下りて行くのですが、人懐い可愛い雀が、ばらばら飛んだり踊ったり、横に人の顔を見たり、その影が、湯の中まで、竹の葉と一所に映るのでした。
――夜、寝床に入りますまで、二階屋の上下、客は私一人、あまり閑静過ぎて寝られませんから、枕頭へ手を伸ばして……亭主の云った、袋戸棚を。で、さぞ埃だろうと思うのが、きちんとしている。上包して一束、色紙、短冊。……俳句、歌よりも、一体、何と言いますか、冠づけ、沓づけ、狂歌のようなのが多い、その中に――(能登路の記)――があったのです。大分古びがついていた。