Japanische Klassiker mit Furigana
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かわはぜ
河沙魚
林 芙美子
Lesen Sie 河沙魚 (かわはぜ) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.653 Zeichen · 24 Bildschirme
家を飛び出す事も出来なければ、死ぬのも出来ないのも、みんな子供達のためだと思うと、千穂子はどうしようもないのである。頭が混乱してくると、千穂子は、軽い脳貧血のようなめまいを感じた。
食糧を風呂敷包みにして、千円の金を持って千穂子は産院に戻って来たが、赤ん坊はひどい下痢をしていた。産婆の話によると伊藤さんは他から、器量のいい二つになる赤ん坊を貰ったと云う事であった。千穂子はがっかりしてしまった。産院に千円の金をあずけて、三日目にまた与平のところへ相談に戻って来たが、与平はひどく機嫌をそこねて、いっとき口も利かなかった。
「これは運だから仕様がないけど、当分、貰い手がつくまで、あずかってもらっておこうと思うンだけど、一度、おじいちゃんにも聞いてみようと思って……私だって、ただ、ぶらぶらしてるンじゃないンですよ。困っちゃったンだもン」
「昨夜、富佐子が来て、太郎たち引取ってもらいてえと云って来たよ」
「あら、そうですか……もう二ヶ月以上にもなりますからねえ……男の子は手がかかるしねえ」
与平は筍を仕入れて来たと云って、これから野菜と一緒にリヤカアで、東京の闇市へ売りに行くのだと支度をしていた。