Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふぐくわぬひじょうしき

河豚食わぬ非常識

北大路 魯山人

Lesen Sie 河豚食わぬ非常識 (ふぐくわぬひじょうしき) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.310 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

誰がいったか、いつどんな時代に出来た諷刺だか判明しない。「ふぐは食いたし命は惜しし」にわけもなく囚になって、それがためにかえって目前の体験実際が物語る安全を信じられないということは不甲斐ないばかりか、非常識でもあり、あまりにも迂遠なこととして恥ずかしい。飛行機に乗ることが冒険である……これは肯定出来得る。ぜひを顧みるいとまもないほどの急用がないかぎり、いたずらに飛行することは決して当を得た常識とは認め難い。

しかし今日のふぐ料理は絶対安全といって差し支えないまでの成績が挙がっている。この時安心して天下唯一の美味に親しんでみることは決して徒事ではないと思われるのである。なんでもかでも、海から山から捕えて食べ物となす人間としてのあたりまえの行事といえよう。それもたいやはものうまさ、うなぎやてんぷらのうまさ、このわたやからすみのうまさ、あゆやあなごのうまさ、まつたけやしめじのうまさ、うどやぜんまいのうまさ、そばやそうめんのうまさ、すっぽんや山椒魚のうまさ、若狭の一と塩、石狩の新巻、あるいは燕巣、あるいは銀耳、鵞鳥の肝、キャビア、まあそんなもののうまさに似た程度のうまさであるならば、わたしはあえてがたがたするひとびとにわざわざ笞打ってまでふぐの提灯持ちなんかしやしない。