Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なきむしこぞう

泣虫小僧

林 芙美子

Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

「おい、こら、判ったのか、判らンのか?」

「うン、でも、あのお金を使っちゃったんだろう?」

「ううんいいんだよ。叔父さん明日は沢山お金が這入るンだから返しに行くよ。解ったろう……」

硝子屋の前には、青色で染めた硝子鉢が出ていた。啓吉はそれを指でおさえて、

「これがいい」

といった。

十二

金魚鉢は青くて、薄く透けていて、空へ持ちあげると雲が写っている。啓吉には素晴らしい硝子の壺だ。啓吉はそれを覗き眼鏡にして、拡ろがった空を見ながら、

「ねえ、空はどうしてあんなに青いの?」

「空かい?」

「うん」

「さア、何かで空の青いことを読んだが……大気の中にいる微粒子ってものがさ、水蒸気になってさ、その微粒子の沢山な量が、むくむく重なると、あンなに青い空になるンだと……」

「微粒子って青いものなの?」

「面倒だな、叔父さんだって、本当は覚えてやしないよ。微粒子ってのはねえ……ほら、海の水だって掬ってみると青くないけど、どっさりだと青くなるじゃないか、ねえ、お前のその鼻水もそうだよ……」

啓吉はずるりと鼻汁をすすった。

「さアて、金魚鉢買ったら洋品屋にまわって、伸公の襯衣を買ってやらなくちゃ、叔母さん怒るからねえ」