Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
啓吉は、どの家にも庭があって、花を植えている家や、鶏を飼っている家や、木を植えている家などを、珍しそうに眺めて歩いた。何しろこの一帯は、垣根の貧弱な家が多いので、小道から一目で、色々な家の庭が見られた。
日曜日なので、庭や空地などでは、啓吉の学校友達が沢山遊んでいた。啓吉は、その遊び友達の間を、髪を縮らせた若い母親と歩いていることが恥かしくて、大勢のいる遊び場を通るたび、冷汗の出るような縮まりようで歩いた。
「啓ちゃん!」
「うん?」
「何さ、そのお返事は……あのねえ、渋谷の叔母さんとこへ、四五日、啓ちゃんおあずけしとくんだけど、いいでしょ?」
「学校お休みするの?」
「ああ四五日お休みしたって、啓ちゃんはよく出来るんだから、すぐ追いつくわよ。叔母さんとこでおとなしく出来るウ?」
「ああ」
「叔母さんが色んな事聞いても、判ンないっていっとくのよ。――お前は莫迦なところがあるから、すぐお喋りしてしまいそうだけど、いい? 判った?」
「ああ」
「ああって本当に御返事してンの? 煮えたンだか煮えないンだか訳がわからないよ、啓ちゃんのお返事は……」
小道をはずれると、新開地らしい、道の広い新しい町があって、自動車がひっきりなしに走っていた。