Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
饗庭芳子が、舌を出して田口七郎兵衛をからかった。
「何だとッ! もう一遍いってみろッ、今宵の虎徹は血に飢えている、目に物見せてくれるぞッ!」
と言うが早いか、飛鳥のように、饗庭芳子に飛びついて行ったが、机が邪魔で、田口七郎兵衛はついに机の上に泥靴のまま立ち上った。丁度、校庭では始業の鐘が、ガランガランと涼しく鳴り始めている。
二十
朝礼の体操も終って、校長先生の訓話が始まる頃、葉のまばらになった校庭の桜の梢に、もずがきゃっきゃっといった鳴声で呼びたてた。もずは、木のてっぺんで鳴く鳥だと啓吉は誰かに教わったことがあった。よくみていると、初秋に飛んで来るみそさざいが、ちょん、ちちちっと気ぜわしく飛びはねているが、死んだ田舎の祖母が、「みそさざいが来ると、雪が降るだよ」と言った事を思い出して、秋はいいなア、と啓吉は思わず空を見上げた。
「おい、外見をしてはいかん!」
背中で手を組んでいる体操の教師が、後からやって来て啓吉の後頸をつついた。皆、くすくすと笑った。啓吉は赤くなってうつむいた。
朝礼が済むと、啓吉は自分の級の先頭に立って教室に這入って行った。