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Japanische Klassiker mit Furigana

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どろぼうとわかとの

泥棒と若殿

山本 周五郎

Lesen Sie 泥棒と若殿 (どろぼうとわかとの) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.601 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

そのため国もとへ長の蟄居を申しつけるものである。

成信はいちど父に会いたいと云ったが、かれらは耳にもいれなかったし、中屋敷にいる生母と別れをつげるひまもなく、すぐさま領地へ送られてしまった。――この鬼塚山の御殿というのはまえの領主の山荘だったそうで、松平家が移封して来てから、成信の祖父にあたる大炊頭成光というひとが、暫らく隠居所に使ったことがある。それもごく短かい期間のことで、あまりに荒れているし、城と五里も離れていて不便なため間もなくやめたらしい。それからのちは番人も置かず、荒廃するままにしてあったというが、……国もとへ着くとすぐ成信はここへ入れられたのであった。

初めのうちは侍五人と、下僕が数人ついていた。そのうちに侍が一人ずつ減ってゆき、下僕も去り、今年の春から成信ひとりだけとり残された。しかし米だけはどうにか届いていたのだが、それもだんだん間遠になり、ついには米も来なくなった。――城からはときどきようすを視に来るし、この屋敷まわりには妙な人間がつねにうろうろしている、三度ばかり成信を刺しに忍びこんだ者もあった。ごく最近も表の門番所のかげから、広縁にいる彼に矢を射かけたことがある。