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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

Lesen Sie 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.269 Zeichen · 223 Bildschirme

Aozora Bunko

ちょろちょろ赤い野火が這い、

鷹によく似た白い鳥が、

鋭く風を切って翔けた。

楢ノ木大学士はそんなことには構わない。

まだどこまでも川を溯って行こうとする。

ところがとうとう夜になった。

今はもう河原の石ころも、

赤やら黒やらわからない。

「これはいけない。もう夜だ。寝なくちゃなるまい。今夜はずいぶん久しぶりで、愉快な露天に寝るんだな。うまいぞうまいぞ。ところで草へ寝ようかな。かれ草でそれはたしかにいいけれども、寝ているうちに、野火にやかれちゃ一言もない。よしよし、この石へ寝よう。まるでね台だ。ふんふん、実に柔らかだ。いい寝台だぞ。」

その石は実際柔らかで、

又敷布のように白かった。

そのかわり又大学士が、

腕をのばして背嚢をぬぎ、

肱をまげて外套のまま、

ごろりと横になったときは、

外套のせなかに白い粉が、

まるで一杯についたのだ。

もちろん学士はそれを知らない。

又そんなこと知ったとこで、

あわてて起きあがる性質でもない。

水がその広い河原の、

向う岸近くをごうと流れ、

空の桔梗のうすあかりには、

山どもがのっきのっきと黒く立つ。

大学士は寝たままそれを眺め、

又ひとりごとを言い出した。

「ははあ、あいつらは岩頸だな。