Japanische Klassiker mit Furigana
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ようとう
洋灯
横光 利一
Lesen Sie 洋灯 (ようとう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.869 Zeichen · 8 Bildschirme
生花の日は花や実をつけた灌木の枝で家の中が繁った。縫台の上の竹筒に挿した枝に対い、それを断り落す木鋏の鳴る音が一日していた。
ある日、こういう所へ東京から私の父が帰って来た。父は夜になると火薬をケースに詰めて弾倉を作った。そして、翌朝早くそれを腹に巻きつけ、猟銃を肩に出ていった。帰りは雉子が二三羽いつも父の腰から垂れていた。
少いときでも、ぐったり首垂れた鳩や山鳥が瞼を白く瞑っていた。父が猟に出かける日の前夜は、定って母は父に小言をいった。
「もう殺生だけはやめて下さいよ。この子が生れたら、おやめになると、あれほど固く仰言ったのに、それにまた――」
母が父と争うのは父が猟に出かけるときだけで、その間に坐っていた私はあるとき、
「喧嘩もうやめて。」
と云うと、急に父と母が笑い出したことがある。しかし、父の猟癖は止まらなかった。一度、私は猟銃姿の父の後からついていったことがあった。川を渡ったり、杉の密集している急な崖をよじ登ったりして、父の発砲する音を聞いていたが、氷の張りつめた小川を跳び越すとき、私は足を踏み辷らして、氷の中へ落ち込み、父から襟首を持って引き上げられた。