Japanische Klassiker mit Furigana
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ようとう
洋灯
横光 利一
Lesen Sie 洋灯 (ようとう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.869 Zeichen · 8 Bildschirme
この伯母の主人はいつもにこにこした眼尻で私を愛してくれた。私は祖父の家の後を継いでいる養子よりも、この魚屋の主人の方が好きだった。
「おう、利よ、来たかや。」
こんな優しい声で小父がいうと、けちんぼだといわれている伯母が拾銭丸をひねった紙包を私の手に握らせた。ここには大きな二人の姉弟があったが、この二人も私を誰よりも愛してくれた。
三番目の伯母は、私たちが東京から来たとき厄介になった伯母である。この伯母は気象が男のようにさっぱりしていた。この伯母の主人は近江の国に寺を持っている住職で、一人息子もまた別に寺を持っていた。伯母は家の中の拭き掃除をするとき、お茶や生花の師匠のくせに一糸も纏わぬ裸体でよく掃除をした。ある時弟子の家の者が歳暮の餅を持ってがらりと玄関の戸を開けて這入って来た時、伯母は、ちょうどそこの縁側を裸体で拭いていた。私ははらはらしてどうするかと見ていると、
「これはまア、とんだ失礼をいたしまして、」
と、伯母は、ただ一寸雑巾で前を隠したまま、鄭重なお辞儀をしたきり、少しも悪びれた様子を示さなかった。またこの伯母は、主人がたまに帰って来てもがみがみ叱りつけてばかりいた。