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Japanische Klassiker mit Furigana

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うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme

Aozora Bunko

誰か痍をすする者がある。

眼を真赤にしている者がある。

「よおし、よくしゃべった。おい大辻、俺と一しょに艦長室へこい」

そういった長谷部大尉の眼も赤かった。

川上機関大尉の秘密

波間に、杉田二等水兵の首が一つ、ぽつんとただよっている。

南海の太陽は、いま彼の顔に灼けつくように照っている。

彼は海面に波紋をたてぬように静かに静かに泳いでいる。クロールや、抜手にくらべるとはなやかではないが、この水府流の両輪伸こそは遠泳にはもってこいの泳法だ。

杉田二等水兵は、飛行島目ざして必死だ。

「うむ、もう一息!」

この南シナ海には、無数の人喰鮫が棲んでいる。それに、下からぱくりとやられると、もうおしまいだ。

「川上機関大尉。私がそこへ泳ぎつくまで、どうか生きていて下さい。杉田はきっとお助けします」

杉田二等水兵には、誰にもいえない、一つの秘密があった。飛行島へ川上機関大尉と一しょに上陸して、共楽街の前で左右に別れる時、機関大尉から重大なる用事をいいつけられた。

それは帰艦の前に、その共楽街にある広珍という中華料理店に立ち寄って、一つの荷物をうけとって帰れ。そして帰ったら、俺の室に持って行ってその荷物をあけておいてくれ。