Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme

Aozora Bunko

あたりはしーんと水をうったように静まりかえった。

死体の上にかけられてあった布がさっと取り除かれた。

「さあどうだ」

と同時に、

「うーむ、――」

杉田水兵は両眼をかっと開いて、死体の顔をじっと見つめた。リット少将はぐっと唾をのみこんで息をこらした。その次の瞬間、杉田の眼から涙がぽたぽた湧いてきた。彼は、

「ああ川上機関大尉!」

と、上ずった声で叫ぶと、両手で顔を隠して、おいおいと泣きだした。

「うむ、やっぱり川上だった」

と、リット少将は、「カワカミ」という名を呼ぶ杉田の声を聞いて、そうつぶやいた。

「どうです、閣下。杉田は、あのように涙を流して泣いています」

と、中尉は得意そうに相槌をうった。

杉田は、いつまでも声をあげて泣きつづけていた。

ああ、われらの川上機関大尉は、武運つたなく、遂に冷たい亡骸となり果ててしまったのであろうか。――

諸君!

嬉しいことには、事実は全くの反対であったのだ。杉田二等水兵は、嬉し泣きしているのであった。その死体は、見も知らぬ中国人であったのだ。

「川上機関大尉は、どこかに必ず生きている!」

そう思うと、嬉し涙が、あとからあとからと湧いて停らない。