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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふどうするちか

浮動する地価

黒島 伝治

Lesen Sie 浮動する地価 (ふどうするちか) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.079 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

それ以外は、すべてよそから借りて作っていた。買った田も、二百円は信用組合に借金となっていた。何兵衛が貧乏で、何三郎が分限者だ。徳右衛門には、田を何町歩持っている。それは何かにつれて、すぐ、村の者の話題に上ることだ。人は、不動産をより多く持っている人間を羨んだ。

それが、寒天のような、柔かい少年の心を傷つけずにいないのは、勿論だった。

僕は、憂鬱になり、腹立たしくなった。

「俺れんちにも、こんな蕨や、いたどりや、野莓がなんぼでもなる山があるといゝんだがなア。」

ふと、心から、それを希ったりした。

秋になると、トシエの家には、山の松茸の生える場所へ持って行って鈴をつけた縄張りをした。他人に松茸を取らさないようにした。

そこへ、僕等はしのびこんだ。そして、その山を隅から隅まで荒らした。

這入って行きしなに縄にふれると、向うで鈴が鳴った。

すると、樫の棒を持った番人が銅羅声をあげて、掛小屋の中から走り出て来る。

が、番人が現場へやって来る頃には、僕等はちゃんと、五六本の松茸を手籠にむしり取って、小笹が生いしげった、暗い繁みや、太い黒松のかげに、息をひそめてかくれていた。