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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふどうするちか

浮動する地価

黒島 伝治

Lesen Sie 浮動する地価 (ふどうするちか) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.079 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

と姻戚関係になったからである。おふくろが満足したのは、トシエが二タ棹の三ツよせの箪笥に、どの抽出しへもいっぱい、小浜や、錦紗や、明石や、――そんな金のかかった着物を詰めこんで持って来たからである。虹吉が満足したのは、彼の本能的な実弾射撃が、てき面に、一番手ッ取り早く、功を奏したからである。

朝五時から、十二時まで、四人の親子は、無神経な動物のように野良で働きつゞけた。働くということ以外には、何も考えなかった。精米所の汽笛で、やっと、人間にかえったような気がした。昼飯を食いにかえった。昼から、また晩の七時頃まで働くのだ。

トシエは、座敷に、蝿よけに、蚊帳を吊って、その中に寝ていた。読みさしの新しい雑誌が頭のさきに放り出されてあった。飯の用意はしてなかった。

「子供でも出来たら、ちっとは、性根を入れて働くようになろうか。」

飯を食って、野良へ出てから母は云った。兄はまだ、妻の部屋でくず/\していた。

「たいがい、伊三郎では、何ンにも働くことを習わずに遊んで育った様子じゃないか。」

「俺れゃ、そんなこと知らん。」

「ちっと、虹吉がやかましく云わないでか!」

母は、女房に甘い虹吉を、いま/\しげに顔をしかめた。