Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふろうまんご
浮浪漫語
辻 潤
Lesen Sie 浮浪漫語 (ふろうまんご) von 辻 潤 (つじじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.604 Zeichen · 15 Bildschirme
まして「酔生夢死」を望むような心持にさせたのは全体、何人の仕業なのであろうか? 考えてみるとなんとなくわけがわからなくなってしまうのである。
考えると自分にはこの世の何処を見廻しても安住の場所というものが見当らない――第一これこそ自分の物だとハッキリいえそうなものは一ツもない。強いて理屈をつければ自分の霊魂と自分の身体位なものだと思えるが、それも両親から受け継いだのだと思うとその所有権を父母に主張されても、あまり威張ってそれに反対も出来そうではない。そして自分のこれまでの生長してきた現在の存在を考えて、自分以外の自然や人力に助けられていることがどれ程多いものであるかという風に考えてくると、まったく自分は無一物で他人から自分の所有権を主張されてもそれに対して立派な反対をすることは覚束ない。なんという惨めな存在なのだろう!――と考える度毎に自分はつくづくなさけなくなって来る。
空気と太陽の光線とはどうやら文句もいわれずに黙って頂戴が出来るが、――その他の物でなに一ツ自分の物らしいものは一ツだってありはしない。毎日歩いている地面も人のものであり、雨露を凌ぐ家も勿論、人の物、知識も借り物、衣物も他人の拵えた物――まるで自分の存在は自然や他人の恩恵の真中で辛うじて保たれているとしか思われない。