Japanische Klassiker mit Furigana
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よくそうのはなよめ
浴槽の花嫁-世界怪奇実話1
牧 逸馬
Lesen Sie 浴槽の花嫁-世界怪奇実話1 (よくそうのはなよめ) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.908 Zeichen · 96 Bildschirme
異臭に驚いて急止した馬は、もう一歩で屍骸を踏みつけるところまで接近していた。この発見の光景を、犯人はかたわらで見ていたのである。そして、騒ぎになろうとするところで、闇黒にまぎれて静かに立ち去ったのだろうが、現場はバアナア街社会党支部の窓の直下で、兇行時刻には、支部には三、四十人の党員が集っていたにもかかわらず、だれ一人物音を聞いた者はなかった。これは無理もない。たださえ喧々囂々たる政党員のなかでも、ことに議論好きで声の大きい社会党員が三、四十人も寄りあっていたんだから耳のかたわらで爆弾が破裂しても、聞えるはずがない。あとでみんな悪口を言った。とにかく、こうして屍体にばかり気を取られていた発見者の横を、影のようにするりと抜け出たであろう「斬り裂くジャック」は、すぐその足でアルドゲイトのミルト広場へ立ちまわり、四十五分後には、また一人キャザリン・エドウスという辻君を殺害し、やはり陰部から下腹を斬り裂いて、子宮を取っている。このキャザリン・エドウスをはじめ多くの被害者が、いかに哀れに貧困な、下層の売春婦であったかは、キャザリン・エドウスが、炊事に汚れたエプロン姿で男――犯人――と他人の家の軒下で性行為を行ない、そのまま殺されていた一事でもわかる。