Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみからきたたまご

海からきた卵

塚原 健二郎

Lesen Sie 海からきた卵 (うみからきたたまご) von 塚原 健二郎 (つかはらけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.534 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

爺さんは、百五十円ときいて、がっかりしましたが、それでも念のため、

「少し、たかいです。」と、言葉をつづりつづり申しました。

「いくらならよろしいのですか。」

そこで、爺さんは、もういくらも入っていないがま口をしらべました。中には十円紙幣が二枚入っていたきりです。

「二十円に。」

爺さんは一生けんめいに申しました。

主人はあまり値段がちがうので、少し腹を立てたのでしょう、だまって首をふりました。爺さんはそれをみると、今はもうあきらめたように、悲しげなようすで、いくどもこの立派な鎧の方をみいみい、暗くなりかけた表の通りへでて行きかけました。

すると後から、骨董屋の主人が「もしもし。」とよびとめました。主人は、爺さんがあまりこの鎧にみとれていたものですから、ひどく気の毒になったとみえて、棚の上から、その鎧にそっくりなのをつけた一尺ばかりの武者人形をおろしてきて、

「これならお安くねがいます。」と言いました。

爺さんは、その人形を眺めて、なるほどこれはいいと思いました。これならセルゲイもよろこぶだろう、それに船の中に持ち込むのに、小さくって、どんなにらくだか知れない。