Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
と思い込んでしまった。そのくせ彼女は、いつも今まで主人の口から「おれは船中で一番えらい地位を持っていて、船員ならどんなやつでもフン縛ることまでできるんだ。それで船ではおれは、いわば陸でいう王様のようなものだ! おれは自由に手足のように船員を使うんだ。そしておれがいないと、あの大きな汽船が、まるで動くことができないんだ。とまれ、万寿丸では王様だ」と聞いていたのだ。で、今は、そのどちらでもあるのだろう。「船の中には、まともな人間としては主人だけだろう。あとはナラズ者がそろっているのだろう」と、考えた。
二人は床の中で夜の明けるまで話した。
一九
三上と小倉は、水からはい上がった犬のような格好で、サンパン小屋の前へ行った。そこは、ルンペンプロレタリアがサンパン押しとして、虱のように、ウヨウヨ小さな家の中に詰め込まれていた。そこは、昼も夜もなかった。そこに集まっている者はすべてが、永劫の昔から、無限の未来まで、そこで寝ころんででもいるというような感じを与えた。彼らは、あらゆる悪徳と、自暴自棄と、そうして飢餓との頂点から、いつでも、決して離れたことがなかった。