Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
また、負傷したのが彼だからというのでもなかった。それは、ボーイ長が自分の負傷について、神経を全く疲労させ、身をのろい世をのろい、ついには絶望的に自分の足までものろうような、それと全く同じ感情が、水夫らにあったからであった。水夫らは、それを意識するとしないとにかかわらず、そこに、泣きわめき、狂い叫び、のた打ち回る自分自身の運命を、朝も夜も、食事にも眠りにも、焼けた鏝でも当てられるように、ジリジリと感じないではいられなかったからである。それから逃れる術はなかったのである。
水夫らは、自分の負傷のように、ボーイ長の負傷によって陰気にされていた。そして自分の負傷のように、いらいらさせられた。彼らは、それから逃れようとして、あせっていた。冷淡な、無関心な態度は、彼らが鈍らされた神経を持っていることと、も一つは「なれている」ことと、今一つは、その自分自身の運命を、あまりにハッキリ見せつけられることから、免れようとする心から出たことであった。
波田は、石油罐の二つに切ったので、便器をこしらえて、彼と、ボーイ長の寝箱とが※形をなしているすみへ置いてやった。
安井は、だれも見えなくなると、その便器へ用を足した。