Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
チーフメートは早速方向転換の必要を痛感した。
「ボーイ長の傷は存外軽くてすんだね。おれはもうとてもだめだと思っていたんだよ、命拾いしたわけだね」
「そうさ、すぐくたばりゃもっと傷が軽いわけさ、手がかからねえからな」また藤原が口を出した。
セーラーたちは、何か起こりはしないかと内心好奇心に駆られて「事」の起こるのを待っていた。
「黙ってろ! よけいな口をたたくな!」チーフメートはとうとう爆発した。
「黙ってろ? 黙るさ、だが、手前らにゃ手前らの命は大切でも、人間の命が、どのくらい大切かってことはわかる時はあるまいよ。ヘッ」藤原はそのまま自分の巣へ上がって、煙草に火をつけた。彼は明白にチーフメートに挑戦した。
戦争はすぐ開かれるか、あとで開かれるか、どんな形において開かれるか、それは水夫ら全体を興奮の極に追い上げた。
黒川一等運転手は彼の策戦が失敗したことを承認した。そして、多分この事はこれだけで片がつかないだろうと、いうこともわかった。長びくような事件にならねばよいがと彼は心配していた。特にそれは、この場合では、彼にとって絶対に都合のわるいことであった。