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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいつあいい思いつきだ」波田は、そのつもりで航路をそっちへとっていた。

東洋軒は、また、その日も、珍無類なお客を迎えた。

ボーイ長は、足がきかないので、日本間の方に三人は通された。

全く、波田がどのくらい甘いものに対して、真実の愛をささげているか、それは、私のよく表わし得ないところだ。彼は、ほんとの酒好きが、酒に目をなくす以上に、菓子には参っていた。それは「病的」だった。しかし、一体に、船員は、何物、何事に対してでも「病的」に欲望を持っていた。安井、藤原なども量的には、時とすると波田以上であっただろう。

三人は、木炭の埋けられた火鉢をはさんで、菓子をつまんだ。こういうことは、ボーイ長は、いまだかつて経験しなかったことだ。非常に惨憺たる生活をしていた労働者が、何かくだらぬ犯罪で、監獄にほうり込まれる。そこでは、彼は、いまだかつて食ったことのない豚肉や、魚肉やを食べさされた。そこの労働は、彼を今まで、苦しめたよりも楽であった。土地のやせた、産業のない、深い山中の谷間などから、四十を越してとらえられた、囚徒などの、やや低脳なのに、そう言うのがある。そして彼は、晩年を獄中で送ることを意に介しないように見える。