Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
ただ取り次いでいただけばいいのです」ストキはやっぱりまじめに、急がず、何か相談でもしてるような調子で話した。
それは全くチーフメーツの顔をつぶしてしまった。彼はうんともすんともいわなかった。
「船長が帰ったら渡すよ」
「どうぞ願います」ストキはいった。
大工はフォックスル(おもての甲板)へ上がって揚錨機をゴットンゴットンと調節したり、油を差したりしていた。
ボースンはチーフメーツの室で、おそろしくきまりの悪い思いをしながらまだ、そこに突っ立っていた。
「どうしたんだい。ボースン、お前はこれを知らなかったのかい」チーフメーツはその机の上の要求書を指さしてきいた。
「早いことをやるものです。私はまるで存じませんでした」ボースンはよみがえったように答えた。彼はもう先刻から、何でもいいから一言口がききたくてたまらなかったのだ。
「すこしも知らないじゃ困るじゃないか、お前に責任があるんだぜ。一体どうするつもりなんだ。それに今日出帆が遅れでもすると正月には横浜へ帰れやしないぜ。そんなことにでもなって見ろ、船長は、一人残らず下船を命じかねないから、お前はどうするつもりかい」