Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
沙漠のように、人類を飢餓と渇とに追いやるところの道であった。
波田もさとった。おれたちは「それでは行くんだな」と思った。「おれたちの行く道は、右は餓死だ、左は牢獄だ」彼は吐き出すようにいった。
四七
彼らは各自分の運命を知った。そしてその行李へありったけの彼らの持ち物を詰めた。彼らは、その持っている者は、布団までも行李に詰めた。彼らの行李はなお余裕を持っていた。彼らは、全く簡単に、その世界一周旅行にでも上りうるのであった。船乗りの生活は乗客として見た場合には、全く異なった観を呈する。それは、水火夫に至っては、乗客から見たのではまるでわからないのだ。ことに貨物船においては、乗客がないのだ。乗客がないということは世間態がないということになるのだ。風呂さえないのだ。搾りたいだけ搾るのだ。
彼らは、食って着るだけでなお不足であったので、従って、その最初船に乗る時に買った行李、その中へ詰まっていた種々の物が、だんだん減っては行ってもふえて行くなどと言うことはほとんどなかった。
その空隙の多い、中実の少ない行李を引っかついだ彼らは、あたかも移住民の一列のように続いて彼らの塒からサロンへとおもむいた。