Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうはつでん
海城発電
泉 鏡花
Lesen Sie 海城発電 (かいじょうはつでん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 25 Bildschirme
日本の名誉であろう。敵から感謝状を送られたのは、恐らく君を措いて外にはあるまい。君も名誉と思うであろうな。えらい! 実にえらい! 国の光だ。日本の花だ。吾々もあやかりたい。君、その大事の、いや、御秘蔵のものではあろうが、どうぞ一番、その感謝状を拝ましてもらいたいな。」
と口は和らかにものいえども、胸に満たる不快の念は、包むにあまりて音に出でぬ。
看護員は異議もなく、
「確かありましたッけ、お待ちなさい。」
手にせる鉛筆を納るとともに、衣兜の裡をさぐりつつ、
「あ、ありました。」
と一通の書を取出して、
「なかなか字体がうまいです。」
無雑作に差出して、海野の手に渡しながら、
「裂いちゃあ不可ません。」
「いや、謹んで、拝見する。」
海野はことさらに感謝状を押戴き、書面を見る事久しかりしが、やがてさらさらと繰広げて、両手に高く差翳しつ。声を殺し、鳴を静め、片唾を飲みて群りたる、多数の軍夫に掲げ示して、
「こいつを見い。貴様達は何と思う、礼手紙だ。可か、支那人から礼をいって寄越した文だぞ。人間は正直だ。わけもなく天窓を下げて、お辞義をする者は無い。殊に敵だ、吾々の敵たる支那人だ。