Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじんべっそう
海神別荘
泉 鏡花
Lesen Sie 海神別荘 (かいじんべっそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.689 Zeichen · 46 Bildschirme
悲しんでは不可んと云うのです。
美女 貴方。(向直る。声に力を帯ぶ)私は始めから、決して歎いてはいないのです。父は悲しみました。浦人は可哀がりました。ですが私は――約束に応じて宝を与え、その約束を責めて女を取る、――それが夢なれば、船に乗っても沈みはしまい。もし事実として、浪に引入るるものがあれば、それは生あるもの、形あるもの、云うまでもありません、心あり魂あり、声あるものに違いない。その上、威があり力があり、栄と光とあるものに違いないと思いました。ですから、人はそうして歎いても、私は小船で流されますのを、さまで、慌騒ぎも、泣悲しみも、落着過ぎもしなかったんです。もしか、船が沈まなければ無事なんです。生命はあるんですもの。覆す手があれば、それは活きている手なんです。その手に縋って、海の中に活きられると思ったのです。
公子 (聞きつつ莞爾とす)やあ、(女房に)……この女は豪いぞ! はじめから歎いておらん、慰め賺す要はない。私はしおらしい。あわれな花を手活にしてながめようと思った。違う! これは楽く歌う鳥だ、面白い。それも愉快だ。おい、酒を寄越せ。
手を挙ぐ。