Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじんべっそう
海神別荘
泉 鏡花
Lesen Sie 海神別荘 (かいじんべっそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.689 Zeichen · 46 Bildschirme
美女 いいえ、この宮殿、この宝玉、この指環、この酒、この栄華、私は故郷へなぞ帰りたくはないのです。
公子 では、何が知らせたいのです。
美女 だって、貴方、人に知られないで活きているのは、活きているのじゃないんですもの。
公子 (色はじめて鬱す)むむ。
美女 (微酔の瞼花やかに)誰も知らない命は、生命ではありません。この宝玉も、この指環も、人が見ないでは、ちっとも価値がないのです。
公子 それは不可ん。(卓子を軽く打って立つ)貴女は栄燿が見せびらかしたいんだな。そりゃ不可ん。人は自己、自分で満足をせねばならん。人に価値をつけさせて、それに従うべきものじゃない。(近寄る)人は自分で活きれば可い、生命を保てば可い。しかも愛するものとともに活きれば、少しも不足はなかろうと思う。宝玉とてもその通り、手箱にこれを蔵すれば、宝玉そのものだけの価値を保つ。人に与うる時、十倍の光を放つ。ただ、人に見せびらかす時、その艶は黒くなり、その質は醜くなる。
美女 ええ、ですから……来るお庭にも敷詰めてありました、あの宝玉一つも、この上お許し下さいますなら、きっと慈善に施して参ります。