Japanische Klassiker mit Furigana
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なみだのアリバイ
涙のアリバイ
夢野 久作
Lesen Sie 涙のアリバイ (なみだのアリバイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.497 Zeichen · 7 Bildschirme
……………………時々手を止めてハンカチで涙を拭うようす……。
――そのうしろから突然にパッと光線がさす――
◇美人の手…………ハッとしてハンカチを取り落す。
●探偵の手…………懐中電燈をさしつけつつ近寄る。
◇美人の手…………わなわなと慄え出す。
●探偵の手…………ピンセットで物を抓み上げる真似をして見せる。
◇美人の手…………宝石の包みを差し出しつつ、わななき悲しむ。
●探偵の手…………包みを受け取って中味を検め、固く結び直して無造作にポケットに入れる。
……………………くら暗の中に、拇指を出して見せ、食指とくっつけ合わせて「お前と共謀だろう」と詰問する体。
◇美人の手…………烈しくわななきつつ左右に振って否定し「ピアノを弾いていた。何も知らない」と主張する。
●探偵の手…………懐中電燈をつけ、ピアノのキーの上に落ち散った涙を一ツ一ツに照し出すうち、指先が感動して微かにふるえ出す。
……………………ともったままの懐中電燈をしずかにピアノのキーの上に置き、わななく女の白い手をハンカチごと両手で強く握り締め「御安心なさい」という風に軽くたたいて慰撫する。
――その上から涙がポトポトと滴たりかかる――