Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なみだをもってせいぎをささえる
涙をもつて正義をささえる
金森 徳次郎
Lesen Sie 涙をもつて正義をささえる (なみだをもってせいぎをささえる) von 金森 徳次郎 (かなもりとくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.332 Zeichen · 38 Bildschirme
江戸時代の文献を見ますと、一頃は町人というものは弱い者になつております。武士が道路で町人に文句をつけておる。何故俺の刀にさわつたか、不届なものだ、そこに坐れなどと言つている。よく芝居に出て来る光景です。町人どもはビクビクしている。まわりをとりかこんだ別の町人どもは肚の中ではこの武士は不届な奴だと思つておりますが、明哲身を守る意味で一言も言わない。封建的な姿というものは多分そういうものであろうと思いますが、その時にあの芝居の筋書で幡随院長兵衛とかいう顔役が出て来て一寸御免とか何とかいつて遂に武士をやつつける。多くの人がこれをほめてせいせいした気もちになる。江戸時代の物語です。
これは事情もあつたでありましよう。我我の時代は文化が高まりまして、次第に人人は他人の苦痛は大むね捨ててかえりみず、個人独善の態度をとります。私も銀座街頭において少年どもが短刀を他の少年につきつけて恐迫しているらしいのを見受けたことがありますが、私心弱くして正義のために敢然として憤ることを得なかつた記憶がありまして、今に至つて恥かしいと思つています。真面目に考えて誰がこんな場合に社会正義を守つてくれるであろうか、誰が一体多少の危険を犯して救つてくれるだろうか。