Japanische Klassiker mit Furigana
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ふかがわにょうぼう
深川女房
小栗 風葉
Lesen Sie 深川女房 (ふかがわにょうぼう) von 小栗 風葉 (おぐりふうよう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.597 Zeichen · 57 Bildschirme
ね、酔ってるものだからヒョロヒョロして、あの大きな体を三味線の上へ尻餅突いて、三味線の棹は折れる、清元の師匠はいい年して泣き出す、あの時の様子ったらなかったぜ、俺は今だに目に残ってる……だが、あんな元気のよかった父が死んだとは、何だか夢のようで本当にゃならねえ、一体何病気で死んだんだい?」
「病気も何もありゃしないのさ。いつもの通り晩に一口飲んで、いい機嫌になって鼻唄か何かで湯へ出かけると、じき湯屋の上さんが飛んで来て、お前さんとこの阿父さんがこれこれだと言うから、びっくらして行って見ると、阿父さんは湯槽に捉まったままもう冷たくなってたのさ。やっぱり卒中で……お酒を飲んで湯へ入るのはごくいけないんだってね」
「そうかなあ、酒呑みは気をつけることだ。そのくせ俺は湯が好きでね」
「そうね。金さんは元から熱湯好きだったね。だけど、酔ってる時だけは気をおつけよ、人事じゃないんだよ」
「大きに! まだどうも死ぬにゃ早いからな」
「当り前さ、今から死んでたまるものかね。そう言えば、お前さん今年幾歳になったんだっけね?」
「九さ、たまらねえじゃねえか、来年はもう三十面下げるんだ。