Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふかがわにょうぼう
深川女房
小栗 風葉
Lesen Sie 深川女房 (ふかがわにょうぼう) von 小栗 風葉 (おぐりふうよう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.597 Zeichen · 57 Bildschirme
土人へ一同お預けさ」
「まあ! さぞねえ。それじゃ便りのなかったのも無理はないね」
「便りがしたくたって、便りのしようがねえんだもの」
女は頷いて、「それからどうしたの?」
「それから、間もなく露西亜の猟船というのがやって来たんだ。ところが、向うの船は積荷が一杯で、今度は載ッけて行くわけに行かねえからこの次まで待てと言うんで、俺たちはそのまま島へ残されたんだ。今になると残されてよかったので、あの時連れて行かれようものなら、浦塩かどこかの牢で今ごろはこッぴどい目に遭ってる奴さ。すると、そのうちに今度の戦争が押ッ始まったものだから、もう露西亜も糞もあったものじゃねえ、日本の猟船はドシドシコマンドルスキー辺へもやって来るという始末で、島から救い出されると、俺はすぐその船で今日まで稼いで来たんだが……考えて見りゃ運がよかったんだ。辞も何にも分らねえ髭ムクチャの土人の中で、食物もろくろく与われなかった時にゃ、こうして日本へ帰って無事にお光さんに逢おうとは、全く夢にも思わなかったよ」
「そうだろうともねえ、察しるよ! 私も――縁起でもないけど――何しろお前さんの便りはなし、それにあちこち聞き合わして見ると、てんで船の行方からして分らないというんだもの。