Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆなのたましい
湯女の魂
泉 鏡花
Lesen Sie 湯女の魂 (ゆなのたましい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.936 Zeichen · 55 Bildschirme
小宮山は負惜、此奴温泉場の化物だけに裸体だなと思っておりまする。女はまた一つの青い色の罎を取出しましたから、これから怨念が顕れるのだと恐を懐くと、かねて聞いたとは様子が違い、これは掌へ三滴ばかり仙女香を使う塩梅に、両の掌でぴたぴたと揉んで、肩から腕へ塗り附け、胸から腹へ塗り下げ、襟耳の裏、やがては太股、脹脛、足の爪先まで、隈なく塗り廻しますると、真直に立上りましたのでありまする。
小宮山は肚の内で、
「東西。」
女はそう致して、的面に台に向いまして、ちちんぷいぷい、御代の御宝と言ったのだか何だか解りませぬが、口に怪しい呪文を唱えて、ばさりばさりと双の腕を、左右へ真直に伸したのを上下に動かしました。体がぶるぶるッと顫えたと見るが早いか、掻消すごとく裸身の女は消えて、一羽の大蝙蝠となりましてございまする。
例のごとくふわふわと両三度土間の隅々を縫いましたが、いきなり俯けになっているお雪の顔へ、顔を押当て、翼でその細い項を抱いて、仰向けに嘴でお雪の口を圧えまして、すう、すうと息を吸うのでありまする。
これを見せられた小宮山は、はッと思って息を引いたが、いかんともする事叶わず、依然としてそのあッと云う体。