Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまのけいだい
湯島の境内
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島の境内 (ゆしまのけいだい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.674 Zeichen · 18 Bildschirme
早瀬、腕を拱きものおもいに沈む。
お蔦 (うしろより)貴方、今帰ってよ。兄さん。
早瀬 ああ。
お蔦 私は……こっちよ。
早瀬 おお早かったな。
お蔦 いいえ、お待遠さま。……私、何だか、案じられて気が急いて、貴方、ちょっと顔を見せて頂戴(背ける顔を目にして縋る)ああ(嬉しそうに)久しぶりで逢ったようよ。(さし覗く)どうしたの。やはり屈託そうな顔をして。――こうやって一所に来たのは嬉しいけれど、しつけない事して、――天神様のお傍はよし、ここを離れて途中でまた、魔がさすと不可ません。急いで電車で帰りましょう。
早瀬 お前、せいせい云って、ちと休むが可い。
お蔦 もう沢山。
早瀬 おまいりをして来たかい。
お蔦 ええ、仲町の角から、(軽く合掌す)手を合せて。
早瀬 何と云ってさ。
お蔦 まあ、そんな事。
早瀬 聞きたいんだよ。
お蔦 ええ、話すわ。貴方に御両親はありません、その御両親とも、お主とも思います。貴方の大事なお師匠さま、真砂町の先生、奥様、お二方を第一に、御機嫌よう、お達者なよう。そして、可愛いお嬢さんが、決して決して河野なんかと御縁組なさいませんよう。
早瀬 それから。